Will you please~?でお願いするとキレていることになるよ問題

先日、とある国(非英語圏)へ行き、現地のホテルでチェックインしていた時の話。

私たちの隣で一組の日本人カップルが同様に手続きの最中だった。

特段、彼らの会話に耳をそばだてていたわけではないのだが、

いかんせん非英語圏にいたためそこら中に

「くぁwせdrftgyふじこlp」

みたいな言葉が飛び交っていたこともあり、

そのカップルの話している内容(英語)が唯一「理解可能な言語」として自然と耳に入ってきた次第。

そんな中、このカップルの男性が受付担当者に対して聞いていたのが以下。

.

Will you please tell me when I can check out?

(???) 何時にチェックアウトできるか教えてもらえますか?
(≒ チェックアウト時間は何時ですか?)

※元の英文を文字通り理解するとこのような訳にはならないが、当時の会話の前後関係から、この男性はおそらく上の日本語のような質問をしたかったと思われる

.

上記のやりとり含め、かなり流暢な会話運びだったことから察するに、

この男性は日ごろ英語を使うお仕事をされている、ないしは、

日常的に英語に触れる機会がある方だと感じた。

ただ上記のやりとりから、考えてみるとこの「Will you please~?」は日本人が英会話で使うには「難しい表現」のひとつだなと思ったので、このたび記事化することにした。

ちなみに、上の英文は「チェックアウト時間は何時でしょうか?」ではなく、

おそらく、以下のような感じに聞こえるハズだ。

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WillYou.png

話し手本人にその気はなくとも、感じの悪い言い方に聞こえる可能性が高い

.

◆   ◇   ◆

.

人に何かをお願いする、つまり「依頼」する際には、おおむね、以下のような言い方が考えられる。

《Willを使うケース》

Will you ~?
Would you~?

《Canを使うケース》

Can you~?
Could you~?

.

基本的に、Will よりもWould、CanよりもCouldのほうが「丁寧さ」が増すのはご存知の方も多いと思う。助動詞を過去形にすることで、婉曲的(遠回し)な表現になるからだ。

過去形にすることで
婉曲的(遠回し)な響きになり
・結果、丁寧さが増す

というこの現象、日本人の感覚的には、

.

~でよろしいでしょうか?(直接的)

~でよろしかったでしょうか?(婉曲的)

.

これに似たものがあると思う。

※ いわずもがな「~でよろしかったでしょうか?」は日本語の正しい使い方ではなく、このような言い方をしたからと言って”真の丁寧さ”が増しているわけではない。また、これが多くの方(特に年長者)の不興を買う言い回しであることは承知している。が、ここでは例え話として引き合いに出しているので、悪しからず。

さて。

今回、上の男性が使っていた「Will you ~?」は、

“依頼”のシチュエーションで使うにはかなり“つっけんどん”な響きになる。

この「Will you~?」は文字通り「あなたに~する意思はありますか?」なので、

例えば道行く人に以下のように尋ねたとすると…

.

Will you tell me how to get to the library?

(直訳) あなたに、図書館までの道のりを私に教える意思はありますか?
(意訳) きみ、図書館までの道のりを私に教えてくれたまえよ?

.

かようにも、かなり上から目線の頼み方になる。

この聞き方をしている時のあなたは

相手方が、私に対して○○をしてくれて当然である

という意識のもと話をしている状態だ。

だからこそ、

Will you marry me?

(僕と結婚してくれるね?)

.

みたいなプロポーズの言葉が存在するのである。

ただ、言うまでもなく、この態度は通りすがりの人への道の尋ね方としては相応しくない。

そして、この「Will you please~?」は、

上記「相手が何らかのリアクションをして当然」という話し手の意識に引っ張られ、

往々にして”話者のイラだちやフラストレーションを含んだ発言”と理解される可能性が高い。

例えば。

あなたが、とある大事な郵送物の到着を今か今かと待ちわびていたとする。

本来、一週間前には届いていてしかるべきブツだ。しかし、何の音沙汰もない。

このようなシチュエーション(多かれ少なかれイラだっている)で、

配送業者さんに確認の電話を入れるような場合。

.

Will you please tell me when my package is going to arrive?

(いったい、いつになったら私の荷物は届くのですかね?)

.

上記のような状況下で使われることが多いと思う。

または会議中、騒々しい参加者に対して議長が、

Will you be quiet, please?

.

と言ったとしたら、これは、

静かにしてくれるかな?(^^)

と言う”穏やかな依頼”ではなくて、むしろ、

静かにしてくれるかな?(#^ω^)ビキビキ

というMK5(マジでキレる5秒前)のサインなので、言われた側としては、以降、貝のごとく押し黙ったほうがよい。

このように「Will you please~?」は使いどころが限られてくるので、

不慣れなうちは使用を差し控えるのが吉。

もし、あなたが大胆にも、以下のようなお願いを上司にしたとする。

.

Will you send me this PPT by email?

(このパワポ、後で私にEメールで送ってもらえるかね?)

.

のちほど上司からあなたに送られてくるのはおそらくパワポではなく、

網走支社への転勤辞令だ。

.

◆   ◇   ◆

.

さて。冒頭の日本人男性は、どのような尋ね方をすればベターだったのか。

(その男性が、特段イラついていたわけではなく、純粋に「明日何時までにチェックアウトすればよいのか?」を尋ねたかっただけだとすれば、)

.

Check-out time, please?

.

これで十分伝わる。

なお、このとき誤って「Check-out, please?」とやってしまうと、

チェックインした直後に神速でチェックアウトをお願いする不思議人になってしまうので注意されたい。

もし、丁寧度メガ盛りMAXで英国紳士も一目置くレベルの聞き方をしたいのであれば、

.

Could you possibly tell me what time I should check out by tomorrow?

(明日、何時までにチェックアウトすればよろしいか教えて頂くことは可能でしょうか?)

.

みたいな聞き方も有り得るけど、これは明らかにやり過ぎな感じがあるし、

骨盤が砕けるくらいの勢いで伏して謙遜している感じがするので、

.

Could you tell me how late I can check out?

.

ホテルのフロントの方との会話であれば、これぐらいが中庸でよろしいかと思う。

.

◆   ◇   ◆

.

まとめる。

☑ 人様に何かをお願いする時は、Will you ~?は避けよう

Could you~ もしくは Would you~を使っておけば、とりあえず大失敗はしない。

.

◆   ◇   ◆

.

おまけ。

Could you~ と Would you~はどちらが丁寧か?

諸説あると思うが、会話における「丁寧さ」とは、

「相手のことをどれだけ慮(おもんぱか)って話しているか?」

という点がひとつの判断軸になる。

今風にいうと

「どれだけ忖度(そんたく)しているか?」

という感じ。

これを”依頼”のシチュエーションにあてはめると、

「相手がYES / NOを答える際に、答えやすいような聞き方をしているか?」

ということになる。

つまり、相手に何かを”依頼”する以上、当然、相手が断る可能性もあるわけで。

その際に相手が「断りやすいようなお願いのしかた」であればあるほど、

(相手に配慮した)丁寧なたずね方をしている、ということになる。

この点、Would you ~?は、Will you~の婉曲版であるとはいえ、

本質的には「~する意思はありますか?」と聞いているわけなので、

相手方はこれを断る際(Noと言う際)に、

「いいえ。~する意思はありません。」

と答えることになる。

これは、断る側からすると、直球すぎて返しづらい(答えづらい)のではないか。

他方。

Could you~?は、本質的には「~できますか?(可能性・能力)」という問いになるので、

仮にこれを断る場合でも、

(そうしたいのはやまやまなのですが)できないんです(ごめんなさい)

という柔らかいニュアンスで断ることができる。

つまり、

Would you~?と比較して、Could you~?のほうが、

答える側の”(断る際の)心理的な負担”が軽い聞き方になる。

そんなわけで、

Could you~?とWould you~?はどちらが丁寧ですか?

という問いになるべくストレートな回答をすると、

Could you~?のほうが相手への負担が少ないので、丁寧なニュアンスになることが多いです

という答えになる。

もちろん、Would you~?を使った聞き方には

.

Would you mind~?

Would you be able to~?

.

みたいな「定番フレーズ」があるのだが、

まずは「Could you~シリーズ」が自然に口をついて出る状態になってから「Would youシリーズ」に手を出すのでも遅くはない。

このあたりの話は、英語講師の時吉秀弥先生のブログが多いに参考になるので、

興味のある方は一読されることをおすすめ。

また、今回の記事を書くにあたっては、自身の理解が誤っていないか確認するため以下の書籍も参考にしている。

この本は当ブログでも幾度か紹介しているが、

本当に良書なので、学習意欲が高い方は是非いちどお手にとってみては。

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お し ま い

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