TOEICの結果が返ってきた(前編)

先日、香港で受けたTOEIC(新形式)の結果が返ってきた。

TOEIC受験は、6年ぶり2回目。けっこうひさしぶり。

ちなみに今春の甲子園に出場した前橋育英高校も、

センバツ出場6年ぶり2回目だったらしい。

ちょっとしたシンパシーを感じる。

閑話休題。

今回から2回にわけてTOEICについて書き留めておく。

なお、受験結果は本稿の末尾に。

(前編)TOEICについて思うこと ☚ 本記事

(後編)TOEIC対策(超ざっくり)

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TOEICについて思うこと

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TOEICは意味があるのか、ないのか。

ネット上では、

「TOEICって、日本だけで通用する試験でしょ。意味ないよ」

「TOEICのスコアが高くても、英語ができるとは限らない。意味ないよ」

みたいな感じの意見も少なくないようで。

ここでは、水掛け論にならないよう「『意味がある』とはどういうことか?」も含め、考えてみる。

私は、TOEICには二つの側面があると思う。

資格としての側面
【= 対的な有用性】

自己研鑽ツールとしての側面
【= 対的な有用性】

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以下、海外での進学/就職を前提にしている。

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① 資格としての側面

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これは「TOEICのスコアを対外的なアピール要素として使えるか?」という意味だ。

平たく言うと「履歴書に書いて意味あるの?」ということ。

この点、TOEICは、海外ではほぼ意味が無い。

以下、この部分を少し詳しく。

◆   ◆   ◆

英語の試験と言えば、グローバルでは「TOEFL」「IELTS」がツートップだ。

留学時には、TOEFL or IELTSのスコアが必要になるケースが多いし、

海外で暮らす/働く際には、ビザの受給要件にIELTSスコアが含まれるケースも少なくない。(英国、豪州、カナダなど。)

一方、TOEICはどうか。

多くの方がご存知の通り、TOEICが盛んなのは日本(と韓国)だけだ。

TOEIC運営元いわく、同試験の受験者は世界で約700万人/年。

しかし一説によれば、このうち6割が日本人、1割が韓国人と言われている。(注1)

この数値を信じるなら、TOEIC受験者のおよそ7割が日韓の人間ということになる。

なぜこれほどまでに日本人に人気なのか。

理由はいくつか考えられるが、なかでも、

「TOEICは『日本人が発案した日本人フレンドリーな試験』である」

という点は、国内でのTOEIC普及に大いに関係している気がする。

ご存知の方も多いと思うが、

TOEICは1970年代後半に経産省(当時の通産省)と経団連が、TOEFL開発元であるETSに働きかけて作ってもらった試験だ。

当時の日本は高度経済成長もひと段落し、国としてさらなる成長を遂げるためにどうすれば良いかを模索している時期。

こういった時代背景のもと開発されたTOEICのコンセプトは、

海外の技術や知識を取り込めるような英語力の素地を養う

つまりインプット重視

だからTOEICは長い間、ReadingとListeningのみだったし、

インプット作業に不可欠な”文法力”を試す問題が大量に含まれている。

これは、TOEICのリーディング全100問のうち、

約半分(46問)が文法穴埋め問題という点を見るに明らかだ。

つまり、長文読解に難のある多くの日本人にとって”解きやすい構成”になっている。

日本人が発案して、日本人向けに作った試験だから、日本人の受験者が多い。

そんなふうに考えられる。

なお、このあたりの話は、ダイアモンド社の以下の記事が詳しい。

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——————–

(注1) TOEICの国別受験者数データは数年前から公表されなくなった。そのため、本稿で取り上げた数値は、私の主観に基づきネットを渉猟した結果得られたものである。万一、本来の数値から大きく乖離しているようであれば、悪しからずご容赦いただきたい。

——————–

そんなわけで。欧米人にTOEICの話をしても、たいてい「ナニソレ?」的な反応になる。

事実、わたしのビジネス・スクール時代のクラスメイト(欧米人)の中にも、TOEICの存在すら知らない人間が少なくない。

そして、そんな彼らから見れば『英検2級』も『TOEIC 800点』も大差ないだろう

なぜなら試験の重み」が直感的にわからないからだ。

これは我れらで言えば、

「日本語検定2級……って……すごいの?」

という感覚に近いと思う。

・受けたことないから、試験で問われる内容(難易度)が不明

だから、

・これの”2級”保持者がどの程度のレベルなのかわからない

.

そんな状態。

同様に、英語ネイティブの場合、英検やTOEICを受ける機会はほぼ皆無なので、これらの試験によって裏付けられるスキル・レベルがわからない。

だからそういう人たち相手に

「TOEIC800点です!」

「英検2級です!」

と言っみてたところで、

「へ~。そうなんだ。ところで昼飯はマックでOK?」

みたいな感じになる。

そんなわけで、英文レジュメ(履歴書)の資格欄に「TOEIC 〇〇 点」と書いても、ほぼ意味がないと私は思う。(少なくとも私の周りで書いている人を見たことない。)

書くなら、せめてTOEFLやIETLSのスコアにしておきたい。そのほうが、多少、見栄えはするし、読み手にも伝わるハズ。

いずれにせよ、本人の英語力は後続の選考プロセス(英語面接)でつまびらかになるので、履歴書上に各種英語試験のスコアを書こうが書くまいが、正直、大差ない。

英語が使えるのは当たり前で、そのうえで、自身の専門分野や業務経験をしっかり説明できる状態になっていることが肝要だ。

このように、海外で進学/就職するのであれば英語は大前提になるので、

英文履歴書上で「英語、できます!」とアピールするのは、

タクシー運転手が「車、運転できます!」と履歴書に記載するのとほぼ同義だ

そんなわけで、一つ目の「TOEICのスコアを対外的なアピール要素として使えるか?」については、限りなく「✖」に近い「?」だ。

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➁ 自己研鑽ツールとしての側面

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英語学習には、何かしらのゴールやマイルストンが必要だ。

そういう意味で、TOEICは学習のための「ペースメーカー」として一定の意味を持つと思う。

「TOEIC○○点」を目標にして勉強すれば、その点数に見合った知識が得られる。

例えば、パート5、6の文法問題など、ちゃんと勉強すれば、相応の実力がつく。(詳細は後編で)

残念ながら、TOEIC○○点=英語が喋れる、という話にはならないし、

本気で、総合的な英語力の底上げをしたいのであればIELTSの勉強をしたほうが良い

しかし、ここでお金の問題が出てくる。

IELTSは高い。TOEICは安い。

TOEICは香港だと約9,000円、日本国内だと約5,000円。

かたや、IELTS(やTOEFL)は試験の密度が高いぶん、お値段も高い。(注3)

どちらも香港だと約30,000円、日本国内だと約25,000円。

つまりIELTS(TOEFL)1回分の費用でTOEICが最大5回受けられる

明らかに、TOEICのほうが金銭面で気軽だ。

このあたり、TOEICのマーケティングが奏功している感じがする。

手ごろな価格で、大勢に。

このぐらいの価格であれば、腕試しにたまには受けてみようかな、

それを目標に勉強しようかな、という気になる。(ならない?)

いずれにせよ、英語学習のお供としてTOEICは内容・コストの両面でリーズナブルですよ、という話。

よって二点目の「TOEICは自己研鑽ツールとして意味があるのか?」については「○」だ

ただ、繰り返すが、TOEICの勉強をしても英語を喋れるようにはならない。(注4)

——————–

(注3) TOEICが原則、Reading / Listeningのみであるのに対し、IELTS・TOEFLにはデフォルトでWriting / Speakingも含まれる。また、試験時のセキュリティチェックも格段に違う。IELTSの場合、当日の指紋採取、持ち物検査など、多くの点でTOEICよりも厳格な運営がなされている。

(注4) TOEICには TOEIC Speaking & Writingという試験が別個で設けられている。TOEICを使ってアウトプット力を上げたいなら、こっちを目指すと良い

◆   ◆   ◆

ここまでの話を総合すると、

TOEICは…

(海外で)進学したり就職したりする上でアピール要素にはならない

➁ 資格うんぬんではなくて、英語学習のお手軽ペースメーカーとして使おう

.

という感じ。

あと、なんだかんだで、日本人相手に英語力の話をする際にはTOEICスコアを持ち出すのが手っ取り早い。

つまり、

・TOEICは多くの日本人が受けている

・だから、「TOEIC○○点」のレベル感を互いに共有し易い

・ゆえに、話が早い

.

と言うことだ。

例えば。

「TOEICのスコアが 800 のAさん」

「IELTSのスコアが 8.0 のBさん」

この二人のどちらが英語できそうな感じがするか?

多くの方は、

「まぁ…Aさん…じゃない?だってTOEIC800って、そこそこハイスコアでしょ?」

「そうねぇ…Aさんかしら。だって、IELTSなんて聞いたことないザマス」

「AさんだYO!だってAさんのスコア、Bさんの100倍じゃんYO!」

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と思うハズだ。

が、実際は、間違いなくBさん(IELTS 8.0)のほうが総合的な英語力がある。(参考

しかし「IELTSスコア 8.0」がどのくらいのレベルか、たいていの人はわからない。

TOEICの日本人受験者は年間400万人ほど。かたやIELTSは約4万人

その差、100倍。

というわけで、日本人と話す上ではTOEICのスコアを引き合いにだしたほうがまだまだ話が早い

TOEICスコアが、必ずしもその人の実用的な英語力、特に会話運用能力を反映しないことは自身で身を持って知っているのだが。

それでも、私自身、TOEIC大国日本で生まれ育ち、また、僭越ながら「香港MBAと英語」という名のブログを日本の方々に向けて公開している身。

そんな中、我ら日本人共通のモノサシであるTOEICを避けて通るのはナンセンスな感じがするし、そもそも食わず嫌いは良くないなと思い、このたび試験会場に足を運んだ次第。

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[おまけ] 試験結果

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955点。

toeic

試験の際は、見直し含め、全問回答した時点で残り時間は約5分。

結構テンポよく解いたつもりだったが、何気に時間いっぱいいっぱいだった印象。

ちなみに、試験中、トイレ(小)のため2度中座。

どうやら、一番の敵は、リスニングでも文法でも語彙でもなく、尿意な模様。

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後編につづく>

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TOEICの結果が返ってきた(前編)」への1件のフィードバック

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