パーティーでニコニコ地蔵から普通の人間になるための方法

英語・日本語を問わず、初対面の人が多くいる場所でのコミュニケーションは骨の折れる作業だ。

会社のイベント、パーティ、子どもが通う学校のイベント、町内会etc.

運悪くこのような場所にひとりでお出かけすることになった時の緊張感は、昼休みに上司から「ちょっと話があるから、仕事が終わったら会議室まで来てくれるかな」と言われた時のソレに良く似ている。

私も、MBA入学前後、連日開催される各種社交イベントに出かけた。

そのたびSiriに「パーティー 会話 ネタ」と相談しようとして、そもそも自分のスマホ(Android)にはハナからSiriなぞ搭載されていなかったことに気づく、という無限ループに陥っていた。

つまり、それぐらいテンパっていた。

というわけで、今回は日本語・英語問わず、「社交場での初対面コミュニケーションが苦手な人」向けに、私が香港で実践してきたポイントを書き留めておこうと思う。

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ニコニコ地蔵だらけの懇親会

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我らは誰しもが幼少時に「会話の際は笑顔が大事」みたいなことを教わる。

そのため、たとえムカついていようが緊張していようが、公の場では首から上が自動でニコニコする「ニコニコモード」がついている。

私が以前、ここ香港で参加したとある懇親会でのこと。

当時その懇親会にいた他の参加者にも、漏れなくこの機能が搭載されていたようで、みな首から上は「ニコニコモードON」になっていた。

いっぽう、その場のほぼ全員が初対面だったためか、会話はあまり弾んでいない。

みな、なんとなく手に皿とグラスを持って首から上だけニコニコでフロアを徘徊するニコニコ地蔵になっていた。

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ニコニコ地蔵(イメージ)

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このような「地蔵体験」は、みなさん誰しも一度や二度ご経験済のことかと思う。

そしてこの時、次の一手をどう打つかで、向こう1-2時間の運命が決まる。

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その場に知人がいるケース

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これはわりかしイージー・モードである。

もし、その友人もニコニコ地蔵になってしまっているようであれば、まずはその友人に百裂ビンタをお見舞いして脱・地蔵化を試みる。

そのうえで、ヒトに戻ったその彼/彼女とともに、とりあえず深呼吸をする。そこから先は、その「元・地蔵」とともにさらなる”地蔵狩り”を行えばよい。

遥か昔、我らの祖先が石斧でマンモスを狩っていた時代から「狩りは集団で」が暗黙の掟だ。

たとえひ弱な人間でも、集団になればマンモスすら狩り倒せるのだから、友人と二人で地蔵を狩ることなぞ朝飯前である。

仲間を作る。今も昔も、最初の一歩はこれに尽きる。
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知人ゼロのケース

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これが少々むずかしい。

先ほどのケースでは、徘徊している地蔵が顔見知りだったがゆえに百裂ビンタで人間に引き戻すことができたが、知人ゼロのケースではその手が使えない。

そのためもう少し大人な声掛けの手口を使う。

キーワードは、

✅「今日はどちらからいらしたんですか?」
✅「こういうところ、よくいらっしゃるんですか?」
✅「普段、どのようなお仕事をされていらっしゃるんですか?」

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と言いたいところだが、残念なことに、これらはすべて大バツである。

こういう「マニュアル本」に乗っているようなフレーズを鵜呑みにしてしまうなあなたは、前々々世から来々々世まで地蔵の可能性が高いので、是非この記事を最後までお読み頂きたい。

真のキーワード、というか私がよく使うのは、以下だ。

「今日はどなたといらっしゃったんですか?」
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「どなたといらっしゃんたんですか?」で脱地蔵化を図る

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先に述べた通り、パーティーでの最初の使命は「仲間を作る」ことだ。

仲間を作らずにパーティー会場でニコニコしている姿は、自宅のトイレでひとりニコニコしている状況とまったく変わらない。「親が見たら心配するであろう姿トップ3」に余裕でランクインする。

もとへ。

この時、先ほど挙げたような「マニュアル的なフレーズ」で話しかけるとどうなるか。

「今日はどこからいらっしゃったんですか?」

「あ。都内からです…」

「あ。そうですか。私もです。」(終了)

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「こういうところ、よくいらっしゃるんですか?」

「いえ… あんまり。」

「あ。そうですか。実は私もです。」(終了)

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「普段どのようなお仕事をされてらっしゃるんですか?」

「(なんだこいつ。新手の転職エージェントか?)」(終了)

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このように、会話が「永遠のゼロ」になる可能性が限りなく高い。

仮に、あなたが自らの力でこのゼロをイチに変えることができるのであれば、それは既に相当なコミュニケーション力をお持ちになってるということだから、いまここでブラウザの「✖」ボタンを閉じて失礼して頂いて構わない。

一方、「今日はどなたといらっしゃったんですか?」は、実に万能な声掛けツールだ。

もし相手の答えが「YES(友人と一緒)」であれば、次のように続ける。

「そうですか。実は、私ひとりで来ていまして。是非、この機に他の方々と交流したいなと思っていたところです。もしよろしければ、そのご友人と一緒に少しお話しさせて頂けますか?」

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これに対して相手が「いや、あなたのような人に、私の大切な友人は紹介できない」とケンモホロロに切り返す確率は、日本がサッカーW杯で優勝するのと同じくらい低いので、安心して使ってほしい。

また、もし、先ほどの問いに相手が「NOひとりで来ました)」と答えるようであれば、以下のように続ける。

「そうですか。実は私もなんです。ところで、既にどなたかとお近づきになりましたか?もしよければその方も交えて一緒にお話しさせて頂けますか?」

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要するに「きみ、一人地蔵?それとも人間の仲間がいる地蔵?」という質問を皮切りに、以下の会話の流れを辿ることで、最終的にどのルートを進んでも「集団化(脱地蔵)」できるという算段だ。


jizou.png

脱・地蔵のためのベストパス


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いかなるパーティーであろうと、突き詰めれば目的は「社交」である以上、先ほど述べた通り「集団化」が最適かつ必須であり、そのためには「今日はどなたといらっしゃったのですか?」というフレーズこそが、最短かつベストパスを生み出すツールということだ。

なお、先ほどあげた「大バツ」の例は、図の吹き出しにあるとおり「ルートの後端部」で使うものである。

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地蔵からヒト、ヒトからオウムへ

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さて、めでたく集団化できたとしても、その先の集団において再び地蔵に先祖返りしてしまっては元も子もない。

パーティでジェネラルに会話を続ける際の鉄則は「オウム化」だ。

相手の言ったことを復唱する。

復唱することで、相手はさらにしゃべる。

基本、これを繰り返せばよい。

話している相手が「ノッて」くると、話し手はさらにしゃべる傾向にあるので、例えば、

「普段、どのようなお仕事を?」

「現在、繊維関連の貿易業を営んでるんです」

「ほう。繊維関連の。貿易業ですか。」

「そうです。貿易って言っても、大した規模じゃあないんですが。」

「ほう。大した規模じゃあ、ない。と。」

「主に、アジア方面、インド・タイ・ベトナムをメインに細ボソとやってます」

「ほう。インド・タイ・ベトナム、ですか?」

「そうです。以前、プライベートでインドに旅行した際に、現地の綿製品の魅力に取りつかれてしまいまして~」
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みたいな感じで、不思議なほど会話がよく進む。

ただよくよく見れば、我らのやっていることはその辺りのペットショップにいるオウムちゃんと大差ないし、冒頭で「ほう」「ほう」言う姿は上野動物園にいるフクロウと同レベル。文字通り「鳥頭」な気もする。

しかし、変に話題を絞り出して会話が取っ散らかったり、よく知りもしない話に無理やり乗っかって心をすり減らすよりも、相手の話を素直に聞いたほうが遥かに楽で、思いがけず楽しい話が聞けることもある。また、話している側としても、確実に気持ちがよいハズだ。

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おわりに

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そもそも気乗りしないパーティーに行くぐらいであれば、最初から行かないというのも手だ。

幻冬舎の見城社長は「俺は、パーティーなんぞには絶対にいかん」と著書「憂鬱でなければ、仕事じゃない」で言い切っている。

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ただ、自身の置かれた環境が「どうしてもそれを許さない」ことも往々にしてあろうかと思う。

そのようなときは是非、今回お伝えした「地蔵 → ヒト → オウム」という、ダーウィンも泣いて謝る奇跡の進化論を胸に、パーティー会場へ足を運んで頂きたい。

これを使えば、たとえホワイト・ハウスの晩餐会にお呼ばれしようとも、死なない程度に乗り切ることができる。

お し ま い

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