ビデオで学ぶネイティブの思考(その1)

今回は、ネイティブによる実際の発言を題材に、
「頭作って、尻伸ばす」話し方の実践編をやってみようと思います。

20秒ほどの動画を、次の順番で検証していきたいと思います。



STEP1:20秒リスニング

STEP2:フルスクリプト&意訳

STEP3:解説

おまけ:「of」の正しい使い方


この記事は 約 8分 で読めます。

STEP1:20秒リスニング

まず、以下の動画クリップをご覧ください。

私が通うHKUST(香港科技大)の学校紹介動画の抜粋です。

本動画では、話し手が自身のMBA入学時のエピソードを紹介しています。

まずはご自身で、どの程度聴き取れるか試してみてください。

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STEP2:フルスクリプト&意訳

次に、聴き取った内容がどの程度合っていたかを以下のスクリプトで確認してください。

● 前半部分(0:00~0:10)

To the first point, prior to the begging of the MBA program I’d had a pretty diverse history of work experience with colleagues from different regions.

(意訳)
まずはじめに。私はMBAに来る前、色々な地域の人々と様々な仕事をともにしました。


● 後半部分(0:11~0:21)

I came into the program thinking that I knew (*) how to kind of produce the best work in the setting and I was so so wrong.

(意訳)
MBAに来た時、私はこう思っていました。「僕なら最高のパフォーマンスを発揮できるぞ」って。そしてそれはとんでもない勘違いでした。

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STEP3:解説

最後に「話の組み立て方」について見ていきます。

まずは前半部分。

To the first point…

☑ 成句。「まず第一に~」「はじめに~」
☑ カタマリで覚えて使いまわす系の表現

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To the first point, prior to the beginning of the MBA program…

☑ 実質、ここから本旨がスタート
以前のエントリで書いたとおり、行動を時系列で語っていく
☑ なお「prior to~」は「~に先立ち、~より前に」の意味

(例)
Prior to this party, I was in another one
このパーティに来る前に、別のやつにも参加してきた

(例)
Everything was ready prior to his arrival
彼の到着前に、すべての準備が整っていた

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To the first point, prior to the beginning of the MBA program I’d had a pretty diverse history…

☑ コアとなる”頭の部分”を作る。「私はかなり多様な歴史を持っていた
☑ 過去の一時点(MBA入学時)よりもさらに過去の話なので過去完了形になる

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To the first point, prior to the beginning of the MBA program I’d had a pretty diverse history of work experience…

☑ 「divers history」って「なんの歴史のこと?」を補足説明
☑ 「of work experience」=「職務経験(の歴史)」であると付加
ここでの「of」の使い方については、後述の[おまけ]を参照

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To the first point, prior to the beginning of the MBA program I’d had a pretty diverse history of work experience  with colleagues from different regions.

☑ 上で言及した「職務経験」についてさらなる補足を実施
☑ 「様々な地域からやってきた同僚との」職務経験である旨を付加

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ご覧のとおり「頭作って、尻延ばす」話し方が体現されています。

つづいて後半部分。

I came into the program…

☑ これが後半部分のコア
☑「私は(MBA)プログラムに参加した

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I came into the program thinking that I knew…

☑ 文末に付け足す thinking~等々の形はお尻を伸ばすのに便利
☑ 以下のような形で会話でも頻繁に使用。「~ながら」という訳になる

(例)
He stormed into the room saying “I’ll kill you!!”
彼は「貴様殺してやる!!」と言いながら部屋にぶっこんで行った

(例)
I hurt my leg playing soccer yesterday
私は昨日、サッカーをしている最中に足を怪我した

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I came into the program thinking that I knew how to produce the best work…

☑ 直前の部分では「I knew…」で途切れている
☑ そのため「何を知ってたの?」→ 「ベストな仕事の進め方(を知っていた)」と補足
☑ この部分は、話し手も考えながらしゃべっているので、やや噛んでいる

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I came into the program thinking that I knew how to produce the best work in the setting.

☑ 最後の付け足しを実施
☑ 「in the setting(その時その時の環境下での(ベストの仕事の進め方))」を補足

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いかがでしたでしょうか。

今回ご紹介した動画では、話し手が「間」を取りながら考えつつ喋っていた様子がご覧いただけたかと思います。

「まず頭を作って、(その後、考えながら)尻を延ばしていく」様子を実例を通じてご理解頂ければ幸いです。

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[おまけ] 「of」の正しい使い方

「of」の感覚

日本人的には、この「of」がなにげに曲者です。

「A of B」 = 「B の A」

という具合に「ひっくり返して考えるものだ」と覚えがちだからです。

たしかにこの「ひっくり返し」は「英文を読む」際には有効です。
一方、何かを話す時にはこの「ひっくり返し」をやめないと、
スムーズに話せなくなります。

あくまでも、会話は頭から順に流れていくものです。
そのため、読む時のような「ひっくり返し」(≒会話の流れを逆流させる)はしません。

今回を機に「ofを使って付け足す」という感覚を磨きましょう。

「of」が生み出すイメージを理解する

例を挙げます。

The eyes of the dragon (ドラゴン の 目)

これはそのまま頭から一字一句訳すと「目のドラゴン」になりますが、

それでは意味が伝われないので、実際はひっくり返して「ドラゴンの目」と理解します。

これが「of」のややこしいところです。

上記のように「ひっくり返して理解する」思考だと、
現実に行われる会話のスピードについていけなくなります。

そのため、例のごとく、以下の発想をします。

「何を一番言いたいんだっけ?」
「何に最もフォーカスしたいんだっけ?」

今回、一番言いたい部分は「目」の話です。
話し手は、ドラゴンの足でも、手でも、胴体でもなく、
「目」について話そうとしているのです。

よってまずは「The eyes…」と口に出し、

そこから、

「えーと。何の『目』の話だっけ…?…そうそう、『ドラゴンの』だ」

という発想のもと、ofを用いてお尻に「ドラゴン」を付け足す形になります

「The eyes… … …of… … …the Dragon」

言いたい事を初めに言って、後からそれを説明する」という原理原則は常に健在です。

ちなみに、「of」の原義は「対象から分離しつつも、属している」です。

(参考:以前のエントリで「off は『対象からの分離』を意味することを説明しましたが、このoffとofは、言わば兄弟です)

このような「その言葉がそもそも持つ意味(原義)」も併せて理解することで、学習の深みが増します。是非、既に知っている単語であっても、原義を気にしてみてください。

最後に、今回のThe eyes of dragonにおけるofの使われ方を図示しておしまいにします。

「of」を使って”母集団”から分離させることで、
その“分離したパーツ”に焦点が当たるようになります。

これこそが「of」の持つイメージであり、会話でofを使う際に必要な考え方です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。


of


お し ま い

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