英語らしく話すために句動詞を使う

前回のエントリーで「英語は動詞が命」的な話をしました。

・初めに動詞を使って最低限言いたいことを言う
・細かな情報は後から関係詞などで補足
・「頭つくって、尻伸ばす」イメージで話す

今回は、英語の命である「動詞」について。
英会話をする際に役に立つ内容を書こうと思います。

具体的には「句動詞」についてです。

句動詞を使えるようになると、
会話の中身がグッとネイティのそれっぽく聞こえます

・句動詞ってなに?カラいの?
・動詞と違うの?
・… …工藤氏?

大丈夫です。句動詞はカラくありません。
そして工藤氏(どなた?)も句動詞を使っています。多分。

順を追ってご説明します。
しばしお付き合い頂ければ幸いです。

句動詞は「生き生きとした自然」な表現

まずは簡単な定義から。
句動詞とは「動詞 + 副詞」を組み合わせたものです。

・put out    (消す)
・break down (壊れる、分解する)
・walk off     (立ち去る)

先に日本語のほうから見てみます。
例えば「立ち去る」という表現。

これは「立つ」+「去る」で構成されています。

・スクっと立ち上がって
・スタスタと去る

この二つで「立ち去る」です。
動作が如実に表現されています。
ご先祖様の語学センスに脱帽です。

次に英語のほうを見てみます。
「立ち去る」の意味を持つ「walk off」という表現。

・スタスタ歩いて(walk)
離れていく  (off)

ゆえに「walk + off」→「walk off」(立ち去る)です。

「walk」だけだと単に「歩く」の意味ですが、
ここに副詞の「off」(対象から離れていくニュアンス)が加わることで
「どんな感じでwalkするのか」を表現しています。


The actor got mad and walked off the set.
(その俳優は怒って、セットから立ち去った)

Someone walked off with my earrings.
(誰かが私のイアリングを持ち逃げした)
※ 「walk off with ~」 →「~を持ち逃げする、着服する」


このように、動詞と副詞を組み合わせることによって、
より生き生きとした自然なニュアンスで動作/状態を表す

これこそが「句動詞」の役目です。

もちろん「立ち去る」≒「depart」「leave」など、
ほぼ同様の意味を一語で表すことも可能です。

ただし、英語には、以下のような不文律があります。

「言葉を短くするほどフォーマルな響きになる」

そのため、普段着の会話で、

「私がデートに5分遅れただけなのに、
彼、怒って depart しちゃったのよね~」
(←立ち去っちゃたのよ~、と言ってるつもり。)

と言ったとすると、とても不自然な響きになります。
句動詞でより生き生きとした自然な表現にしたいところです。

句動詞と疎遠な日本人

句動詞は英会話上達のマストアイテムです。

一方、我らがこれまでに受けてきた英語教育において、
これらを面と向かって学ぶ機会はほとんどなかったと思います。

なぜなら、句動詞は日本の受験ではほほぼ問われないからです。
句動詞の代わりに、我々は超絶難解な単語を暗記してきました。

たとえば次のような質問を、都内有名大学の学生100人に聞いたら、
おそらく95人くらいは次のように答えるハズです。


 Q
 「火を消す」を英語でなんと言いますか?

 A
「extinguish !!」(消火する)

 Q
「なにかとなにかを区別する」ことを英語でなんと言いますか?

 A
 「Distinguish !!」(識別する)


さすが日本有数の名門大学に通う優秀な学生です。
その語彙力に脱帽です。

また、どちらの質問にも「○○ゥィッシュ‼」で終わる単語を答えるあたり、
おしゃれな都会の学生さんだなって感じがします。

ただ、続けて以下のよう質問をすると、
おそらくナニコレ珍百景になるハズです。


質問3
じゃあ「タバコの火を消す」って英語で何て言いますか?

回答3
え… … えーと。
(「火を消す」は「Extinguish」だから…)

「Extinguish a cigarette…?」


ここで当店の新作「Extinguish a cigarette(邦題:タバコを消火する)」をご覧ください。

extinguish


ちなみに「タバコの火を消す」は、
put out a cigarette」です。

・タバコを(灰皿に)putして
・火を out の状態にする

というイメージです。

capture

句動詞に含まれる副詞の意味を理解する

句動詞は便利な反面、その数も膨大です。
一節によれば、以下のようなボリュームがあるそうです。

・英文に使われる動詞の3割は句動詞
・シェークスピアの全作品には計5,000以上の句動詞が登場

このような「数の暴力」にメゲないためにも、
句動詞をマスターする上で大事なことは「暗記」ではなく「理解」です。

冒頭で「立ち去る」を分解・説明しましたが、
その際の理屈は、他の言葉にも共通です。

・食べきる (食べる + きる)
・やりきる (やる + きる)
・使いきる (使う+きる)

ここでの「きる」は「最後まで」「とことん」「すっからかん」の意味。

英語もこれと同じです。

・eat up (eat + up)   →  食べきる
・finish up (finish + up)  →  やりきる
・use up(use + up)   →  使いきる

ここでの副詞「up」は、日本語の「~しきる」と同様、
「上限ぎりぎりまで」「いっぱいいっぱい」という意味です。

グラスに水を注ぐ場面を想像してください。

グラスの底から徐々に水かさがアップしていきます。
やがてグラスはいっぱいいっぱいになりました。
もうこれ以上はいりません。アップアップの状態です。

この感覚が「up」です。
上限いっぱい。ぎりぎりまで。

ゆえに、

・upの状態まで(ギリギリまで)useする
→「use up」(使いきる)

・upの状態まで(いっぱいいっぱいまで)eat する
→「eat up」(食べきる、平らげる)

という意味になります。


You’ve used up all the money? Seriously?!
(おまえ全額使い切ったの?!マジで!?)

Dad told us we had to eat up all the food.
(父さんが「残さず食べろよ」って言ってたよ)


次に、より身近な例として「take off(離陸する)」を考えます。
皆さんも良く知る言葉だと思います。

一方、なぜこれが「離陸する」になるのか。
深く考える機会はなかったのではないでしょうか。

これは、乗客目線だとあまりピンときませんが、
パイロット目線で考えるとスッキリ理解できます。

まず「take off」の「off」の部分に注目します。
walk offの時に説明したとおり、

off」→「対象から離れる、消えていく」です。

次に、「take(取る、パッとつかむ)」ですが、
パイロットがつかむものと言えば操縦桿です。

つまり、操縦桿をtakeして、飛行機の機体を地上からoffさせる。
というわけで、「takeしてoffする」=「離陸する」となります。


機内アナウンス
Ladies and gentlemen, we are taking off shortly.
(ご搭乗のみなさま、当機は間もなく離陸いたします)


take off には他にも「(衣類を)脱ぐ」という意味があります。
これも、先ほどと同様に、

・着衣をつかんで (takeして)
・自分の体から離す (offする)

というわけで「take off → 脱ぐ」という意味になります。

ちなみに「脱ぐ」を句動詞で表す場合、take off以外にも、

・ pull off
→ コート・指輪・ブーツなど「(引き抜く動作を伴う)脱ぐ

・ slip off
→ ケープやショールなど「(スルリと滑らかな動作を伴う)脱ぐ

といった組み合わせもあります。


She slipped off her coat, and pulled off the ring.
(彼女は羽織っていたコートを脱ぎ、それから指輪を外した。


なお、これらの句動詞をひとつひとつ覚えるのは気が遠くなるので、
まず、句動詞の副詞部分が持つニュアンスを理解しておき、
実際にこれらの表現に出会った際に即効で使い方を吸収するのがベストです。

まとめ

本稿では以下の点に触れました。

● 英語を生き生きと自然な表現で話すためには、
難解な単語(動詞)ではなく句動詞を使う

● 句動詞をひとつひとつ覚えるのではなく、
含まれている副詞のニュアンスを理解しておく

● 実際に句動詞に出会った時に使い方を速攻で吸収する

私が句動詞の練習をした際に参照した書籍・サイトを、
本ブログの別ページでご紹介しています。
(リンク先のページで Ctrl+F「句動詞」すると、おすすめの書籍と動画がヒットします)

句動詞との出会いの場としてご活用いただければ幸いです。

併せて、パッと思いついた句動詞たちを以下に記載しておきます。

capture
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

お わ り

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